新百姓の定義(仮)

新百姓とは、なによりも「つくる」を楽しむ人々です。
新百姓が「つくる」のは、物理レイヤにおける造形に限りません。
精神レイヤにおける想像にくわえ、出来事の意味をつくりだす解釈も新百姓にとっては「つくる」対象です。

また「新百姓」は「百姓」とは根本的に異なります。
「百姓」は元来、権力者からみた守るべき民という意味であり、日本ではのちにとくに農業従事者を指す言葉として定着してきました。
「百姓」は第一に構造的な背景に「支配者」に対する「被支配者」という意味を抱えた言葉だといえます。また近代化以降の日本においては「資本主義」と「能力主義」を基盤とした社会が形成される中で、「百姓」は経済的な合理性に欠ける、または競争力のない「職業」の一つとして、どちらかというと蔑まれかねない意味をもっていたと思われます。

これに対して「新百姓」は、新しい世界の見方で、百姓を再定義したものです。「資本主義」や「能力主義」ではなく「だれもがつくることを思いっきり楽しめているか?」を価値の根幹におく「創造性主義(Creativitism)」が、その新しい世界の価値基軸です。
「つくるを楽しむ」が価値基軸になった新しい時代において、百の技と知恵を身に着け、自らの環世界を自らの手でつくりだすことを楽しむ、「百姓」たちは、人生のマエストロになります。

「百姓」は生きるために仕方なく選ばれる職業でした。
「新百姓」は「つくるを楽しむために」喜んで選び取る生き方です。

不足と競争を前提とした機会論的世界観に基づいて組成された社会における「百姓」に対して、
潤沢と創造の喜びを前提とした生命論的世界観に基づいて作り出されていく「新しい時代の百姓」というライフスタイル。
それが「新百姓」だと、わたしたちは考えています。

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